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世界をつなぐ海底ケーブル〜銅線から同軸、光ファイバー、そして未来〜

第二次大戦前までの海底ケーブル

わたしたちは現代になって、紙という物理的な情報記録媒体に加え、デジタルによる情報記録媒体を得ることができました。そして、インターネットを使って、一瞬で届けたい人に届けることができるようになっています。

これを可能としているのは、世界を結んでいる通信ネットワークです。わたしたちがインターネットでいつも世界とつながっているように感じられるのは、海底ケーブルがあるおかげなのです。

今回から数回、現在世界を結んでいる海底ケーブルの歴史を概観してみましょう。

海底ケーブルは、資本主義、帝国主義の発展にともない、世界中に敷設されていきました。

1843年に、マレー半島で産出される「ガタパーチャ」と呼ばれる天然樹脂がケーブルの絶縁体として優れた材料であることがわかり、海水で電気信号が逃げるという課題をクリアできたことで、海底ケーブル通信は産声をあげることになります。マレー半島は当時イギリスが領有していたため、イギリスが海底通信で優位に立つことになったのです。

最初の実用的な海底ケーブルは、1851年にイギリスのドーバーとフランスのカレーを結ぶ、ドーバー海峡横断ケーブルでした。この成功がきっかけとなり、世界各地の海に次々と電信用の海底ケーブルが敷設されました。1866年には、イギリスとアメリカを結ぶ大西洋横断ケーブルが設置されたのです。

帝国主義国家として 19世紀に君臨したイギリスは、 20世紀初頭には全世界の海底ケーブルの6割以上を押さえることになります。 20世紀に入るとイギリスの独占を崩すために、他国、とくにフランスやアメリカによるケーブル網が広がるようになりました。

そして、世界の主要な海底ケーブルは、第一次世界大戦がはじまるまでにほとんど敷設されており、1913年には総延長が52万キロメートルにも達していたそうです。

ところが、1901年にマルコーニがイギリス─カナダ間の通信実験を成功させた無線電信が1910年代なって商用利用されるようになると、海底ケーブル通信はしだいに圧迫されていきました。1920年代末からは長波および短波による無線電話が実用化されたため、海底ケーブルの地位はしだいに低下していったのです。

 

このコラムの参考文献、弊社代表取締役 玉原輝基の2作目『仕事に役立つ、日本人のための情報の世界史』(かざひの文庫)のリンクはこちら

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