意外なことから発明された、電話
すぐ近くにいない人と話ができる「電話」は、究極の通信手段と言えるでしょう。 顔が見えなくても、電話の向こうで話す人の感情を感じることができます。しか も、双方向で同時進行するのです。
「電話は苦手…」
という人も、最近は多いとは思いますが…。
電話を発明したのは、グラハム・ベルという人物です。出身はスコットランド。
そのあとカナダを経てアメリカに定住しました。じつは彼、通信の専門家ではなく、耳が聞こえない人のための教育者でした。
1876年3月のある日、ベルが2階の実験室で音声を電気の波形に変換する 実験をしているとき、誤って蓄電池の希硫酸を服にこぼしてしまい、慌てた彼は
「ワトソン君、すぐこっちへ来てくれ。君が必要だ!」
と叫びました。ワトソン君というのは、ベルの助手です。
このときに実験用の電磁石にくっついていた板が振動し、電線でつながっていた地下室の板が振動してベルの声が音になり、地下室にいたワトソンがそれを聞いたということです。音声を電気の信号に変えて電線で送ることに成功したのです。
世紀の発明というのは、意外なところから生まれることもあるのですね。
これは知られた話かもしれませんが、同じアメリカのグレイという人物も電話機の研究をしていましたが、ベルのほうが「2時間」早く特許を出願したということで、特許権はベルのものになったそうです。
ベルはこの特許をもとに出資を募り、ベル電話会社を設立しました。この会社は、のちに世界最大の電話会社である「AT&T社」へと発展します。
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