前回のコラムでもお話しした通り、8月4日、わたしの電子書籍
『中小企業は「健康経営」で社員を定着させなさい』(星野書房)
が出版されます。

今回のコラムでは、本書の「はじめに」を公開します。なぜこの書籍を出版しようと思ったのか、わたしの「想い」を知っていただければ幸いです。
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はじめに
本書を手にとっていただき、ありがとうございます。
「健康経営」という言葉が世の中に定着して久しく、書店には関連する専門書や解説書が並んでいます。
とは言え、その多くは専門家やコンサルタントの方が書かれた一般論であり、中小企業の経営者が自ら実践し、悩み、苦労した「リアルな本音」を語る本は、まったくと言っていいほど見当たりません。
じつは、健康経営はキレイ事だけでは進みません。社長が「やるぞ」と旗を振っても最初は社員から冷ややかな目で見られ、すぐには目に見える効果も出ないものです。
そのような泥臭い現場のリアルな姿を包み隠さずお伝えしたい。それが、わたしが本書を書こうと思った最初のきっかけです。
関東通信工業株式会社は1984年の設立以来、情報通信の世界で時代の変化に合わせて事業を転換し、おかげさまで創業40年を迎えました。
ただ、経営者として「いまのままで安泰だ」と胡座をかいているわけにはいきません。次の10年、20年先の会社をどうしていくべきかと考えたとき、わたしのなかに「人をどうするか」という強い危機感が芽生えました。
少子高齢化が進み働く人が減っていくなかで、中小企業にとって「いかに優秀な人材を採用し、そして定着してもらうか」は、まさに会社の存続を揺るがす永遠の課題と言えるでしょう。
社員に長く定着してもらうために、多くの企業が残業を減らしたり有給休暇をとりやすくしたりと「働き方改革」に取り組んでいます。
もちろんそれも大切なことですが、労働時間を短くして休みを増やせば、それだけで社員は「この会社でずっと働き続けたい」と心から思ってくれるのでしょうか?
わたしは、それだけでは不十分だととらえています。真の意味で社員にしあわせになってもらい、会社に定着してもらうには、「働きやすさ」だけでなく自らの仕事に価値を見出し前向きに没頭できる「働きがい」が必要だからです。
では、その「働きがい」を生み出す土台とは何なのか。
深く考えてたどり着いたのは、ごく当たり前のことですが「社員が心身ともに健康であること」でした。
どれほど素晴らしい事業戦略があっても、それを動かすのは「人」です。とくに中小企業においては、社員一人ひとりの力そのものが会社の力であり、社員の健康こそが何物にも代えがたい最大の財産なのです。
社員が健康でいきいきと働ける環境づくりは、単なる福利厚生ではなく、会社を守り、未来をつくる最重要な「投資」ではないでしょうか。
本書は、わたしと同じように人材の採用や定着、組織づくりに悩む中小企業の経営者の方々にぜひ読んでいただきたいと思っています。
当社の不器用な取り組みの軌跡が、自社を5年後、10年後も生き残る強い会社にしていくための、ささやかなヒントになればうれしいです。
そして何より、これから関東通信工業株式会社に入社してきてくれるかもしれない未来の仲間に読んでほしいと願ってやみません。
「うちの会社は、社員のことを本気で大切に考えているんだよ」という当社のカルチャーをごまかさずに知ってもらい、安心して飛び込んできてほしいのです。
少し不器用だけれども本気の、当社の「健康経営のリアル」へご案内します。
2026年7月 関東通信工業株式会社 代表取締役社長
玉原輝基