テレビは日本の戦後復興の象徴のひとつとして普及していった
1953年にはじめて日本国産のテレビが販売され、同年にNHKと日本テレビが日本ではじめてテレビ放送を開始しました。当時のテレビは非常に高価だったため、テレビを持つのは一部の富裕層だけであり、そこに近所の人が集まる形になっていました。また、繁華街や主要駅などに設置された街頭テレビには、プロ野球やプロレスを観る人で賑わいを見せました。
カラー放送がはじまったのは1957年です。当時のテレビの普及率は8%弱でしたが、1958年には10%を超え、翌年1959年には24%近くとなったそうです。これは、1959年4月10日の当時の皇太子殿下と美智子妃殿下のご成婚パレードの放送を機に、テレビの普及が全国的に一気に広まったものと言われ ています。そして、1965年には全世帯の9割がテレビを持つに至りました。 これは、1964年の東京オリンピック開催が大きかったのでしょう。
1960年代に入ると、海外のテレビ番組も放送されるようになって、多くの国民に影響を与え、テレビ番組が文化の一端を担うようになっていきました。
テレビは日本の戦後復興の象徴として、「三種の神器」(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)のひとつとして、一般家庭に普及していったのです。
このコラムの参考文献、弊社代表取締役 玉原輝基の2作目『仕事に役立つ、日本人のための情報の世界史』(かざひの文庫)のリンクはこちら。