今回も、8月7日に出版されるわたし玉原輝基の新刊
『受験・大人の学びにも使える IT・通信の歴史図鑑』
から抜粋します!
小学生のお子様方に向けた文章になっている点、お含み置きいただければと思います。
〜 ここから 〜
口伝えの時代から文字で記録する時代へ
「情報」に、はじまりはあるのかな?
そもそも「情報」とは「伝えられる内容のこと」。
そして情報の内容はおもに言葉によって伝えられているんだよ。
言葉を使うこと、つまり人類が言語を使いはじめたタイミングが、 「情報」のはじまりなんだよ。
人間以外の動物も、鳴き声や匂いなどである種の情報を伝えている場合があるよ。人類も言葉を話すようになるまでは、表情や身振りなどで情報を伝えていたはずなんだけど、人類が進化していくなかで、生活のための知識を誰かに伝えていくことが必要になって、言葉を使えるようになったと考えられるんだ。
「言語」が情報のすべてではないけど、言葉を話すこと、言語を獲得したことで、人間はそれまでとは比べものにならないほど多くの情報を伝えることができるようになったんだよ。
歴史とは歴史書や文献によって時間の流れを整理したもの。文字のない時代のことを先史時代というんだ。
先史時代の日本は、1万年以上前から高度な土器を使って、世界のなかでも早い時期に定住生活をはじめていて、海を使って広範囲なネットワークを築いていたんだ。
日本に文字が伝わったのは、およそ1600年前。それまでは文字を持たなくても、かなり高度な文明を発展させていたんだよ。
なぜ文字を 持たなくても文明を築けたのかな?
それは情報を伝えることができる共通の言語を持っていたからなんだ。
いろいろな技術や信仰や伝承を、言葉によって伝えていくことができたんだよ。これを「口承」というよ。
人類が文化や文明を発展させていくうえで、言語の獲得は、とても重要な役割をはたしていたんだよ。
ただし、文字を持たない文明には一定の限界があるんだ。
文字の発明によって、情報を保存すること、つまり記録することができるようになったんだよ。
そのおかげで、情報を処理すること、そして情報を遠くへ伝えること(通信)ができるようになったんだ。
これまでも、「口承」で情報を伝え合ったり、人が移動して口伝えにすることもできたけど、たくさんの情報を正しく記録して伝えることはできなかったんだよ。
ところが、文字の発明によって、わたしたち人間は、文明をさらに発展させることができるようになったよ。
ではどんなふうに文字が広まって、日本人が情報を伝え合うようになったのか、その歴史をひもといていこう。
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このコラムの参考文献、弊社代表取締役 玉原輝基の2024年8月7日発売の新作『受験・大人の学びにも使える IT・通信の歴史図鑑』のリンクはこちら!