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ラジオは有事に頼れる情報ツール

戦前の日本は、低価格化と品質向上によりラジオが普及した

今回は、日本においてラジオが普及するに至った話をします。

日本では、1923年に関東大震災が発生し、情報伝達メディアとしてラジオの必要性が認識されるようになって、ラジオ放送の開局を急がせたと言われています。1925年、日本初のラジオ放送が社団法人東京放送局(JOAK 現NHK東京放送局)によって発信されました。

東京・芝浦の東京高等工芸学校内に設けた仮設スタジオからの第一声が、「アー、 アー、聞こえますか」でした。その後、大阪、名古屋でも放送がはじまり、ラジオの受信者数は放送を開始して半年で10万人、1年で20万人を突破というめざましい普及を見せました。

1926年には東京・大阪・名古屋放送局を統合した「社団法人日本放送協会」 が設立されて、日本のどこにいてもラジオ聴取が可能になるよう、整備が進められていきました。

1930年代にはラジオの低価格化と品質の向上が進み、1931年に起きた 満州事変で受信者数が急増しました。戦況や国内状況の情報が必要となったことから、また、政府が国防強化の面からラジオ放送を聴取することを奨励したことから、一層ラジオの普及に拍車がかかったのです。

戦後、ラジオの聴取者は減っているが、有事のときには頼れるメディア

第二次世界大戦後には、逓信省によって社団法人東京放送局以外は制限されていた民間ラジオ放送の設置が、1950年の「放送法」によって自由になりました。

翌年に行われた中部日本放送(愛知県)と新日本放送(大阪府 現毎日放送) によるラジオ放送が、日本初の民間放送になります。

1950年代に入ると「トランジスタラジオ」の普及が進んで、ラジオはひとりに1台の時代になりました。ラジオ放送局は個人をターゲットとした番組を増やし、深夜放送もこの頃から盛んになりました。テレビが普及する1960年頃までは、ラジオは日本家庭の情報伝達、娯楽の主役であり続けたのです。

テレビの普及で以前よりもラジオの聴取者は減っていますが、世界中のラジオが聴けるインターネットラジオも登場していますし、阪神・淡路大震災や東日本大震災のような災害時には、電池で動く携帯ラジオは災害状況を知るために有効な手段ですよね。

有事のときに貴重な情報源となるラジオは、これからも頼れる存在であることは間違いありません。

 

このコラムの参考文献、弊社代表取締役 玉原輝基の2作目『仕事に役立つ、日本人のための情報の世界史』(かざひの文庫)のリンクはこちら

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