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世界史の「はじまり」を、歴史書から考える

世界最古の歴史書『ヒストリア』に記録されている「オリンピア紀元元年」が、「世界史のはじまり」

世界で最初の歴史書と言われているのは、古代ギリシャのヘロドトスが紀元前5世紀に著した『ヒストリア』です。この『ヒストリア』に記録されている時代から、世界史がはじまると考えていいでしょう。

『ヒストリア』では、古代ギリシャ人は第1回の古代オリンピックが開催された紀元前776年を「オリンピア紀元」として、年代をあらわしていました。

オリンピックが開催された年から次のオリンピックまでの4年間を1単位(オリンピアード)とし、たとえば紀元前770年なら「オリンピアード第2回第3年」と年を数えました。

古代オリンピックは西暦393年で終了し、第1回近代オリンピックは 1896年にはじまるのですが、古代と近代のオリンピックは周期が1年ずれています。

余談になりますが、2021年に1年延期して開催された東京オリンピックは、 第700回古代オリンピアードの年にピッタリ合っており、しかも古代ギリシャ暦の元旦(7月23日)に開会式が行われたのです。つまり、もし古代オリンピックが継続していたら記念すべき第700回大会が開催されたであろう同じ日に、東京オリンピックは開催されたのです。

もしかすると、古代ギリシャ文明と現代日本文明が2800年(正確には2796年)の時空を超えてシンクロしているのかもしれません。

少し話が逸れてしまいましたが、世界史のはじまりを定めるのは難しく、ほかにもいくつも候補はあると思いますが、わたしはオリンピア紀元元年である紀元前776年を世界史のはじまりと考えます。

東アジアの歴史も、「オリンピア紀元元年」と同時期から記録されている

なお、東ユーラシア(東アジア)で最初の歴史書は前漢の紀元前91年に司馬遷が著した『史記』ですが、その前に『春秋』という書が紀元前722年からの歴史を記録しています

『春秋』は歴史書というよりも、年代記のような書です。

ともあれ、東アジアの歴史も比較的近い時期から記されていることを考えれば、オリンピア紀元元年である紀元前776年を世界史のはじまりとするのも妥当なのではないでしょうか。

 

このコラムの参考文献、弊社代表取締役 玉原輝基の2作目

『仕事に役立つ、日本人のための情報の世界史』(かざひの文庫)

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