「通信の未来」を考えてみよう
これからの情報通信は、どのようになっていくのでしょうか?
考えるだけでもワクワクしてきます。
「通信の未来」について、私見も交えてお話ししたいと思います。これをひとつのヒントに、いろいろな通信の未来を思い描いていただければ幸いです。
「6G」では、「触覚」「嗅覚」「味覚」が主眼になる?
さて、移動通信システムは概ね 年ごとに世代交代しています。5G(第五世代移動通信システム)は2020年に普及がスタートしていて、2030年頃には6Gが導入されると言われています。
5Gで出遅れた日本は、6Gにおいて世界の主導権を握るべく官民を挙げて取り組んでいるところです。ぜひ移動通信システムの覇権を再び取り戻してもらいたいものです。
現時点で考えられる、人類が目標とすべき究極の通信システムは、「五感通信」 ではないでしょうか。従来の情報通信は、電話やラジオのように「聴覚」に訴え るもの、テレビやインターネットのように視覚(+聴覚)に訴えるものに限定させてきました。一方で、「触覚」「嗅覚」「味覚」を利用した情報通信は、いまだ 実現していません。
この3つの感覚のうち、「触感」については研究が進んでおり、早ければ6G が導入される2030年頃には部分的に実現する可能性もあると言われています。
では「嗅覚」や「味覚」はどうでしょうか?
嗅覚通信や味覚通信は、触覚通信と比べて、より実現が難しいとされています。 この実現には脳の研究が進み、脳に嗅覚や味覚の刺激を直接伝える方法が考えられるようですが、そのためには、脳科学のさらなる進歩が必要となってくるでしょ う。
いつ実現するかは予測が難しいのですが、おそらく数十年後には形になっているのではないでしょうか。そのときには、人類は新しい時代に突入していくような気がするのです。
このコラムの参考文献、弊社代表取締役 玉原輝基の処女作『古代から現代までを読み解く 通信の日本史』(かざひの文庫)のリンクはこちら。