記録媒体の初期は、重くてかさばる石から、より軽い粘土板へ
情報が「情報」として記録されるために必要なものは「文字」ですが、それでは足りませんね。もうひとつ必要なものは、「文字を記録するもの」です。
現在であれば、パソコンのハードディスクやUSBメモリー、クラウドといった大容量の電子媒体にデータとして保存し、必要に応じてEメールなどで送受信することができます。でも、ひと昔前までは「紙」が文字を記録する媒体として、その地位を占めていました。
紙は、人類が言葉を持ち、文字を発明した当初から存在したものではありません。紙が発明されるまでは、さまざまなものに文字を記してきたのです。
はじめのうちは、主に「石」が文字を記すための材料になりました。石はよほどのことがなければ壊れませんので、情報を記録しておくための媒体としては優れていたのでしょう。ロゼッタストーンは有名ですが、中国にも儒教の経典を石に彫りつけた石経というものが残っています。
たしかに石は、記録を保存する機能は優れていました。でも重くてかさばるために、遠隔地へ大量かつ迅速に運ぶことが困難だったため、移動をともなう書簡の材料となることはほぼありませんでした。
人工的につくられた最古の文字媒体は、粘土板でしょう。
紀元前4000年頃、メソポタミアのバビロニアやアッシリア地方では粘土板に文字を刻み、記録していたようです。粘土板は、粘土を固めて板状にしたものであり、当時の楔形文字を刻んだあとで天日乾燥したり、火で焼いたりして、文字が消えないようにしていたのです。
このコラムの参考文献、弊社代表取締役 玉原輝基の2作目
『仕事に役立つ、日本人のための情報の世界史』(かざひの文庫)
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