感謝を表現することで、未来が開ける
会社の社長は、基本的には社員を平等に評価しなければいけません。
ただ、どうしても「この人はいいな」と思ってかわいがる社員はいるものです。
そんな社員が会社を離れていくと、もうお酒でも飲まないとやっていられません…。
それは冗談として、正直に言うと、わたしが目をかけて、ときにはお酒を飲みに行く社員がいたのですが、こちらの気持ちを、わたしが思うほど酌んではくれていませんでした。
「社長にはとてもよくしてもらっているから、何か恩返ししなければ…」
とは、あまり思っていなかったのでしょう。
誤解しないでほしいのは、何も恩を着せたいわけではない、ということです。
もちろん、キャリアアップなどを考えて、転職するのは本人の自由です。
一方で、もし気にかけてもらっていることを感じたときは、それ相応の感謝の気持ちを持ち、相手にわかるように表現したほうが、よりよい未来が広がるのではないでしょうか。
たとえ、あまり恩義を感じていなかったとしても、何年かお世話になった会社に対しては感謝の言葉をかけたほうが、本人にとってもいいはずです。
転職先の会社で、前職の会社を否定した発言をしていると、
「うちの会社も、辞めるときに同じようなことを言われるのかな…」
恩に報い、感謝をする、「報恩感謝」
「感謝」という言葉を思い出すたび、いつも考えることがあります。
わたしは「報恩感謝」とよく言うのですが、「恩に報いて感謝する」ことは、もっとも大切なことであると思うのです。
すべての人は、さまざまな人の恩を受けながら生きているのですが、それに対してお返しをする気持ちを持てる人は、うまくいくでしょう。
たとえば、わたしは経営者として、社員のみんなに「働いてもらっている」と感謝の心を忘れないようにしています。
日本には、「おかげさま」「お互い様」という言葉がある通り、働いている人も「雇ってもらっている」という心持ちでいれば、お互いに気持ちよく、いい仕事ができるのではないでしょうか。
もちろん、
「働いてやっている」
「雇ってやっている」
という気持ちであっても、雇用関係は成り立ちます。
それでビジネスが回るのなら、構わないのかもしれません。
ただ、働いてもらうなら、あるいは働くなら、どちらが気持ちいいですか?
これは、多くの経営者の方々にもお伝えしたいのですが、せっかくなら、お互いに気持ちがよくなったほうがいいですよね。
もちろん、不満を抱くことも、何か言いたくなることもあるでしょう。
意見を言ってはいけないわけではありませんし、言うべきことをきちんと伝えることは大切です。
そのうえで、「報恩感謝」の気持ちを、雇う側、雇われる側の双方が心の片隅にでも持っていれば、きっといい仕事につながるはずです。
「おかげさま」「お互い様」という、日本人の美徳が含まれた言葉を忘れず、感謝とともに、口にしていきませんか?
このコラムの参考文献、弊社代表取締役 玉原輝基の電子書籍『人生は「かけ算」だ!』(BLA出版)のリンクはこちら。