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木版印刷(1)紙だけでなく、印刷の発明も中国だった

紙の発明と発展が、中国の印刷術向上につながった

文字と、それを記録する媒体(紙)が揃えば、文書や書物が生まれます。

ただ、現代のようにプリンターなどなかった時代には、ひと文字ずつ書いていく作業が必要でした。同じものを何度もつくり出すことのニーズが生まれ、印刷の発明につながっていったのでしょう。世界でもっとも早く「紙」をつくった中国は、印刷術の発祥の地でもありました。ここで発展したのは、木版印刷です。木版印刷は、人類の歴史で一番古い印刷方式です。小学校で多くの人が図工の授業で経験した「版画」のように、木の板を彫刻刀で彫り終えたら版画の表面にインクを塗って、紙などに印刷するものです。

1世紀のはじめにインドから仏教が伝来していた中国には、7世紀に入ってから千体仏をつくる方法が伝えられました。仏像印を織布の上に押捺して、仏像を何枚も複製する印判の方法でしたが、中国ではこれを、墨を塗った仏像のほうに紙を乗せて摺る摺仏という方法に変化させたのです。これが、木版印刷のはじまりでした。

唐王朝だった8~9世紀頃には、大英博物館所蔵の「金剛般若波羅蜜経」(868年)など、数多くの仏教経典がこの印刷術で盛んに印刷されていきました。唐が滅亡して五代十国時代になると、孔子の教典などを普及させる社会的事業のために、木版印刷が大いに活用されました。

中国において木版印刷が黄金期を迎えたのは、学術や芸術が著しく発展した宋代でした。宋代の木版印刷の特徴は、書体の美しさや彫師の技術向上、紙や墨、字体の美しさといったものがあります。出版という観点では、高度な編集、厳密な校正、丁寧な装丁といった要素もあったのです。紙の発明と発展が、中国の印刷術の向上につながったのではないでしょうか。

このコラムの参考文献、弊社代表取締役玉原輝基の2作目『仕事に役立つ、日本人のための情報の世界史』(かざひの文庫)のリンクはこちら

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