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木版印刷(2)世界最古の現存印刷物は、日本にあった!

世界最古、1200年以上前の印刷物が奈良の法隆寺に

現存する世界最古の印刷物が、日本にあることをご存知でしょうか?

それは、奈良の法隆寺に伝わる経典を印刷した、『百万塔陀羅尼経』です。

これは、764年の恵美押勝(えみのおしかつ:藤原仲麻呂)の乱の平定後に、この乱で亡くなった人たちを弔い鎮護国家を祈念するために、称徳天皇の発願によって『無垢浄光陀羅尼経』を100万枚印刷したものです。同時につくった木製の小さな三重の塔100万基のなかに納めて、法隆寺や東大寺などの十大寺に10万部ずつ分置されました。

いま残っているものは法隆寺に置かれているものだけで、ほかの寺院に分置されたものはすべて散失してしまいました。

この百万塔陀羅尼経は、どのように印刷されたのかは完全に明らかになっておらず、明治のはじめから、木版印刷だったのか、銅版印刷だったのか、論争が続いているようです。

木版説を主張する人は、この印刷がなされた奈良時代に銅版があるとは考えられないこと、その後も日本の印刷は木版が主流であったことなどを理由としてあげています。一方で、銅版説を主張する人は、木版で100万部もの印刷ができないだろうと主張しています。

最近の調査で、百万塔陀羅尼経の木版は何度も彫り直されて使われたことがわかったという結果も出ているようです。さて、真実はどちらなのでしょうか…。

1200年以上前の印刷物が現存することにも驚くのですが、散失してしまった印刷物にも思いを馳せたくなりますね…。

このコラムの参考文献、弊社代表取締役玉原輝基の2作目『仕事に役立つ、日本人のための情報の世界史』(かざひの文庫)のリンクはこちら

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