未経験者のほうが、素直な場合が多い
ある経営者から聞いた話です。
その会社の仕事は専門性が高いので、以前から面識のある経験者を採用しました。
ところが、その人はとても競争意識が強く、トップが評価していた、未経験のスタッフに対して、ライバル意識を燃やしていたのです。
何かにつけて、相手を貶めるようなことをしていたようで、
「経験者だから即戦力になると思って採用したけれども、愛情が感じられず、仕事をやっつけでこなしているようにも思えた。仕事の質も、決して高くはなかった。いい勉強になった」
とのことでした。
同じようなことを、さまざまな会社の経営者から聞きます。
「経験者だからといって、かならずしも仕事の質が高いわけではない」
「経験があるがゆえに、未経験のスタッフといいチームを組むことができない」
結果的に、場を壊して辞めていくようなら、未経験であっても仕事やまわりのスタッフに愛情を持ち、気持ちが整っていて、順序立てて仕事を覚えてくれる人のほうが望ましいのではないでしょうか。
未経験者を採用し、経験を積ませていくのも、近道のひとつ
当社の場合、「経験者で仕事ができそうだから、採用する」というケースは、基本的にはないことです。
そもそも、新しく入ってくる人に経験の有無を期待していません。
なぜなら、期待はずれに終わる可能性があるからです。
そのため、当社は大卒の新入社員と、第2新卒の中途採用が主になっています。
もちろん、経験値が必要かそうでないかは仕事の内容にもよりますし、即戦力がほしいために経験値を重視するのも、その会社のスタンスなので、一概に何が最適とは言えません。
リクルート社のように、将来独立起業することを前提にして、いつまでも会社に頼らせない会社も存在します。
以前は、わたしたちもスタンスの変更を考えたこともありましたが、いまは違います。
新卒の人や未経験者を中途採用し、業務のなかで経験を積ませていくのが、当社の基本的なスタンスです。
どうしても仕事が合わず、辞めていく場合は仕方ないのですが、会社としては、できるだけずっとフォローしていきたい。
もちろん経験者であっても、素直に当社の業務を吸収してくれる人であれば、一緒に仕事をしたいとわたしは思っています。
このコラムの参考文献、弊社代表取締役 玉原輝基の電子書籍『人生は「かけ算」だ!』(BLA出版)のリンクはこちら。