マルコーニの無線通信がラジオの大元となった
新年明けましておめでとうございます。本年も、コラムをお楽しみいただければと思います。
2023年最初のコラムは、「ラジオ」のはじまりについてです。
「ラジオ」はご存知の通り、電波を利用してニュースや音楽などを人々に伝える放送です。
受験勉強の合間に深夜ラジオ番組を聴いた経験がある人も多いでしょう。ドライブ中にFM放送を楽しんでいる人も多いのではないでしょうか。
最近は、インターネット放送も当たり前になっていますね。
このラジオの元になっている技術は、このコラムで何度が登場しているマルコーニ氏が実用化した無線通信です。
電波を1対1で飛ばすか、1対多数で飛ばすかの違いですが、情報をより多くの人へ発信するという発想は、時代を考えれば先進的なものだったのでしょう。
音声をはじめて無線に乗せることに成功したのは、カナダの電気技術者レジナルド=フェッセンデンでした。
彼は1906年12月24日、クリスマスイブの日に、アメリカのペンシルベニア州でクリスマスの挨拶をラジオ放送したのです。
それ以降、世界各地で実験、試験的なラジオ放送が行われますが、世界初の公共放送は、アメリカのペンシルベニア州ピッツバーグのKDKA局でした。1920年、世界初の公共放送を行ったと言われています。最初の放送は、アメリカ大統領選挙の開票結果でした。
マルコーニが実用化した無線通信が、このような形で応用されていったのですね。
大元となる無線通信を一般化したマルコーニと、それを大衆向けの情報発信に利用しようと考えた先人たちの知恵に、感謝の気持ちを感じるところです。
次回は、日本におけるラジオの発展についてお話しします。
このコラムの参考文献、弊社代表取締役 玉原輝基の2作目『仕事に役立つ、日本人のための情報の世界史』(かざひの文庫)のリンクはこちら。