「奇跡の大地」で独自の発展を遂げた日本文明
わたしたちが暮らす、日本という大地。そして、日本で育まれる文明。
こういったことを「世界史的な視点」で考えることは、ほとんどありませんよね。
「日本文明」の独自性と、その独自性を生んだ地理的要因に関する、玉原の考察をお話しします。
「日本史」というのは、日本文明の発展の過程を整理したものです。
日本は島国で小国であると思われがちですが、これは誤った認識ではないでしょうか。
世界史的に見て、旧大陸(ユーラシア、アフリカ大陸)および周辺地域の北緯30度から40度が文明の中心地です。
これをわたしは「文明のベルト地帯(わたしの造語です)」と呼んでいますが、
じつはこの文明のベルト地帯で大陸に次いで広い陸地が日本列島なのです。
しかも日本列島は、自然環境が豊かで人間の生活に適した土地です。
大陸では、常に侵略やジェノサイド(殺戮)が繰り返され、幾多の民族が興隆し滅亡していきましたが、日本列島は大陸からの亡命者を受け入れつつ、独自の文明を発展させていきました。
そしてユーラシア大陸全般に吹き荒れた北方騎馬民族の侵略を受けることなく、連続した文明を築きあげたことこそ、日本文明の特色であると言えます。
日本文明のこの特色は、地理的な要因によるのでしょう。
朝鮮半島と九州の間の対馬海峡は全体では約200キロで、その間に対馬と壱岐の2島がほぼ等間隔で浮かんでいます。
文化は伝播しても、軍事的侵略は困難な距離であって、これはまさに天の采配ではないでしょうか。
日本列島は「奇跡の大地」なのです。
このコラムの参考文献、弊社代表取締役 玉原輝基の処女作
『古代から現代までを読み解く 通信の日本史』(かざひの文庫)
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