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通信の覇権争いがあった時期を知る

最初の海底ケーブルは、マレー半島の樹脂が使用された

今回も通信のお話です。
現代の通信を語るうえで、インターネットの存在は非常に大きなものです。いまや、世界で半数以上の人が使っていると言われるインターネットですが、商用としてサービスが開始されてから、まだ30年程度しか経っていません。
わたしたちがインターネットでいつも世界とつながっているように感じられるのは、海底ケーブルのおかげです。
ここで、現在世界を結んでいる海底ケーブルの始まりをお話しします。
時代を遡って 19世紀半ば頃、電信を海外との通信に利用するため、海底に電線を設置する検討がなされました。ところが、電線をそのまま海中に沈めてしまえば、塩分を含んでいる海水は電気の良導体であるため、肝心の電気信号が逃げてしまいます。


そこで、電線を絶縁物で覆って海水が染み込まないようにするために使われたものが、マレー半島で産出される「ガタパーチャ」という樹脂でした。このガタパーチャの産地であるマレー半島は当時イギリスが領有していたため、イギリスが海底通信で優位に立つことになりました。
1850年に英仏海峡で設置されたガタパーチャを使った海底ケーブルは、最初の海底電信として使用されました。次に、1858年にイギリスとアメリカを結ぶ大西洋横断ケーブルが設置。ただし、このケーブルは1ヵ月ほどで切れてしまい、1866年になって、安定した大西洋横断ケーブルが完成しました。
大西洋横断ケーブルの成功によってはじまった大陸間の電信は、20世紀はじめにはほぼ世界中を結ぶ電信網にまで発展したのです。
ちなみにガタパーチャは、第二次世界大戦後にポリエチレンが開発されるまで、100年にもわたって海底ケーブルの絶縁物として使用されていました。第二次世界大戦において日本軍がマレー半島に侵攻したのは、日英同盟終了後にこのガタパーチャが入手困難となっていたことも影響があったのかもしれません。
このコラムの参考文献、弊社代表取締役 玉原輝基の処女作
『古代から現代までを読み解く 通信の日本史』(かざひの文庫)
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