少子高齢化と生産年齢人口の減少という時代背景
いま多くの企業が健康経営に注目している背景には、日本社会全体が直面している構造的な問題があります。
それは、少子高齢化と生産年齢人口の急激な減少です。
厚生労働省などのさまざまなデータを見ても明らかなように、日本で働く人の数は今後さらに減っていくことが確実視されています。
かつての高度経済成長期のように「代わりの人材はいくらでもいる」という時代は、すでに終わりました。いまいる従業員にできるだけ長く、そして健康に働き続けてもらうことは、企業が事業を継続していくための絶対条件になりつつあるのです。
とくに人材リソースが限られている中小企業において、この問題はより一層深刻です。
ひとりの従業員が抜けることで生じる穴は、大企業とは比べものにならないほど大きく、たちまち業務が回らなくなってしまうこともめずらしくありません。
定年を見据えた中高年層はもちろんのこと、これからの会社を担う若手まで、誰もがいくつになっても健康で活躍できる環境をつくることが、すべての企業に求められているのです。
この事実から目を背けていては、これからの時代を生き残ることはできないでしょう。

人手不足の時代に選ばれる企業になるために
さらに深刻な人手不足のなかで、新たな人材を確保することも決して容易ではありません。
求職者が企業を選ぶ際、給与や仕事内容だけでなく「働きがい」や「働きやすさ」、そして「従業員を大切にする会社かどうか」は非常に重要な要素となっています。
健康経営を推進し、外部機関から「健康経営優良法人」などの認定を受けることは、求職者や関係企業に対して「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業」として社会的に評価されているという、明確なアピールになります。
実際、就職活動を行う学生や転職を考えている社会人は、企業のホームページや外部からの評価をよく見ています。
「この会社に入れば、自分も健康でいきいきと働き続けられそうだ」
と感じてもらうことは、採用活動において大きな武器になるのです。
また、人材の定着という面でも健康経営は大きな意味を持ちます。
せっかく採用した従業員が心身の不調や職場のストレスを理由に離職してしまうことは、会社にとって大きな痛手です。
従業員が長く定着し、経験とスキルを積み重ねていける環境を整えることは、強い会社をつくるための揺るぎない土台となります。
選ばれる企業になり、選ばれ続ける企業になるためにも、従業員の健康への投資は欠かせない要素となっていると言っても過言ではありません。
このコラムの参考文献、弊社代表取締役玉原輝基の電子書籍『中小企業は「健康経営」で社員を定着させなさい』(星野書房)のリンクはこちら。
