2001年〜(3G)
今回の話も、携帯電話の発展の歴史についてです。2000年以降の話であれば、若い人たちにも馴染みがあるのではないでしょうか。
2000年代に入ると、第3世代携帯電話(3G)が登場します。2Gまでは国や地域ごとに異なる移動通信システムを導入していたために、日本国内で購入した端末が米国や欧州では利用できないといった状況にありました。
そこで、第3世代移動通信システム(3G)の策定においては、「全世界で同じ端末を使えること」を目標に標準化作業が進められたのです。それが、「IMT2000」でした。
日本では世界に先駆けて、2001年に3G(W–CDMA)の商用サービスがはじまりました。テレビ電話が可能となったほか、パソコンと接続して高速なデータ通信が行えるようになったのです。
また、3Gではラストワンマイル(通信接続を提供する最後の区間)の問題が解決しやすいことから発展途上国でも携帯電話が普及しはじめ、イギリス調査会社の2007年の調査によれば、世界全体での普及率が5割に達したとのことです。
この時期に発売された主な携帯電話機に、NTTドコモの3G対応携帯電話「FOMA」があります。
2010年〜(4G)
2007年にアップル社が販売を開始した「iPhone」をきっかけに、世界的にスマートフォンへの移行がはじまりました。2009年にはNTTドコモが初のAndroid搭載端末を発表し、本格的なスマートフォンの時代が幕を開けました。
このような状況のなかではじまったのが、第4世代移動通信システム(4G) でした。4Gは、複数の通信システムを総称した言葉です。ひと言で表現すれば、 より大容量になり・通信速度が向上した、といったところです。
屋外では「携帯電話」や「無線LAN」、屋内では「パーソナルネットワーク」 や「有線」といったように、シチュエーションに合わせて使い分けられるのが、 第4世代携帯電話の特徴でしょう。
急激なスマホの普及にともなって、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムといったSNS利用者が急増し、これまで情報の「受信者」だった人たちが「発信者」にもなれる時代になりました。また、LINEのようなメッセンジャーアプリが普及したことで、わたしたちのコミュニケーションも大きく変わりましたね。
2020年〜(5G)
5Gのコンセプトは、「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」 の3つです。4Gに比べて約20倍の通信速度を誇る5Gは、4Gが「スマートフォンのためのモバイルネットワーク技術」だとすれば、「社会を支えるモバイルネットワーク技術」と言われています。
あらゆるものがインターネットにつながる「IoT時代」を迎え、幅広いユースケースが想定されます。日本では、2020年より段階的に商用サービス開始となっています。
5Gは、この「超高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」という特徴を持っていますので、5G対応のスマホは注目に値するでしょう。また、今後は5Gの特徴を活かしたコンテンツも増えていくはずです。
このコラムの参考文献、弊社代表取締役 玉原輝基の2作目『仕事に役立つ、日本人のための情報の世界史』(かざひの文庫)のリンクはこちら。